本当に怖い公務員浪人の「罠」。ドツボにはまる前に脱却しよう。
今のご時世、就職先に安定した公務員を希望する人は多いです。
公務員試験は試験と面接があり、特に文系の学生にとって公務員試験にパスすることはある程度安定した生活が必ず手に入るということからなかなかの倍率になります。
公務員試験が他の就職活動と決定的に違うのは、公務員浪人が存在するということ。公務員試験用の予備校があり、多くの人が公務員を志して勉強しています。
公務員浪人の罠
ですが、中には何度受けても公務員試験に合格できないという人がいます。採用される人数は決まっていますから、採用されない人が出てしまうのもやむを得ないことでしょう。
怖いのはここから。
公務員試験に絞って勉強してきた人の場合、そう簡単に民間へと路線を切り替えることが出来ない傾向にあります。
「来年頑張って合格すれば、民間の中小企業なんて行かないで済むんだ」
そう考える人もいます。
特に筆記試験に通ったけれど面接で落ちたという場合の悔しさは尋常ではありません。次こそは絶対、来年こそは、そうやって年齢制限いっぱいまで突っ張ってしまう人が後を絶ちません。
たしかに、パスすればもう仕事に困ることはありません。公務員なのですから。ですが、よく考えてみてください。
公務員試験に通るまではただの人です。もっときついことを言うなら、就職先が決まっていない、ただの人です。
敢えて厳しいことを書きます。
筆記試験を同じ点数で突破してきた2人が居るとして、片方は年齢制限ギリギリ、片方が新卒だったとしたら、あなたはどちらを採用しますか? 「この年までがんばったんだから、年齢制限ギリギリの方を採用するか」と思いますか?
そういうことです。
コンコルドの誤り
コンコルドの誤りという話を知っていますか。
「埋没費用(sunk cost effect)」の別名であり、超音速旅客機コンコルドの商業的失敗を由来とし、ある対象への金銭的・精神的・時間的投資をしつづけることが損失につながるとわかっているにもかかわらず、それまでの投資を惜しみ、投資をやめられない状態を指す。
コンコルドは昔開発が進められていた超音速旅客機です。莫大な費用を投じて開発が進められていましたが、開発途中で採算が取れないことが分かっていました。ですが、そこまでかけた費用を惜しんで開発を続けた結果、さらに莫大な損失を出すことになってしまったのです。
そこからコンコルドの誤りという言葉ができました。
公務員試験1本に絞った結果、途中で「まずいかもしれない」と思い始めてもそれまでの勉強のことが惜しくなって民間に切り替えることができない。
これはまさにコンコルドの誤りと言えるのではないでしょうか。
まとめ
就活に突入する前の人へのメッセージとしては、「民間なんて絶対に行くもんか」という発想は危険であると言えるでしょう。
「絶対に合格してやる」という前向きなチャレンジは大切ですが、職種を差別することなく、状況を良く見極めて進退を決定するのも立派な大人としての振る舞いと言えるのではないでしょうか。